1年目の研究室、学生1人
はじめに
この記事はEEICアドベントカレンダー2020 17日目の記事です。
いろんな世代の方が面白い記事を書いていらっしゃるので、ぜひ見てみてください
まえがき
こんにちは。初めての方ははじめまして。 EEIC2018のよもぎといいます。修士1年をしています。
アドベントカレンダーに参加するのも3年目になりまして、1年目と2年目は次のような記事を投稿していました。
3年目の今回は少し趣を変え、開室1年目の研究室にたった1人配属された学生のお話を書いて行こうと思います。 これは友達から聞いた話なんだけど
特定はノンノンノン
研究室を変えるということ
うちの学科では学部4年生になる時に初めて、卒論研究のための研究室配属があります。 そして、8割かそれ以上の生徒は大学院へ進学することになるのですが、大学院入試は学部4年の8月に行われ、その結果を元に修士の研究室が決まります。
多くの学生は大学院入試で卒論配属と同じ研究室を志望している一方で、別の研究室を志望する学生もいます。
研究室を変えようと思ったのは
変える理由にはいくつかあると思います。 興味のある分野が他にある、今の研究室が自分の生活に合わない*1、 あるいは院試*2の結果で志望していなくても変わってしまう事があると思います。
私の場合主に次の理由によるものでした
- より興味のある分野に近い研究室が見つかった
- 現在の研究室のめんどうみに不安を覚えた
卒論研究にあたって先生と全然話さなかったからね……週一回のミーティング(事務的な話)だったので。 研究室の合宿の際にD1の先輩とお話できる機会があって
投稿論文数と博士課程の学生数が、その研究室の指導力を表しているよ
という話を聞いて、ん? うちの研究室って……となったこともありました。 確かにB4の時の研究室は、教授の顔は広いし、自由にやらせてもらえる*3し、 多分お金もいっぱいあるし、学生の数も多いなどの強みはありました。
しかし、院試のある夏休みまでの期間で、このままではよくなさそう、自分の性格と研究室のスタイルの相性が悪そうと感じたのです。 自発的に先生に話しに行かないタイプだったし1人で研究できない性だったので、 今の研究室のままでは修士2年間を棒に振りかねないという危機感が生まれました。
研究室を変える選択
そこで、後悔するならいっそ自分の興味に近い研究室で修士の2年間を送ろう、との決意で選んだのが今の研究室でした。 まだできたばかりの研究室を選ぶのは、冒険に近い選択です。なにしろ情報が殆どありません。 1年目の研究室なのでひょっとすると先輩はいません。
ただ、院試にあたっての研究室ごとのポスター発表の場で少し先生と話したので、全く知らない研究室ということはありませんでした。 数分間話した程度でしたが、なんとなく先生の雰囲気はわかっていて、その時の印象は悪くありませんでした。 全く反りがあわないってことはない、ぐらいには良い感触でした。
院試の結果、この1年目の研究室の配属が内定しました。当時修士2年生だった研究室の先輩に
修士で研究室を変える選択ってなかなかできないし偉い
と言われたのを覚えています。わたしえらい。 ただ、同じ研究室に内定した学科同期が見つからないんですね…… そう思っていたら結局1人しか内定していませんでした。 こうして先生1人、学生1人、合計2人の研究室 が1年目の研究室として産声をあげました。
ひとりぼっちでいちねんめの研究室
1年目の研究室に学生ただ1人、という状況はそうそう生まれないと思いますが、 ひょっとすると同じような経験をする人がいるかも知れません。 もしくはそうなるかもしれない人に参考になるかと思い、利点や欠点を書いていきます
ひとりぼっち・いちねんめの利点
ひとりぼっちなので、先生の時間を独り占めできます。 毎週90分の研究室ミーティングはいつも、1対1の面談です。 世間話や談笑から始まって、時間いっぱいフィードバックが貰えます。
B4のときに指導はほとんど貰えなかったので、研究室に所属した当初は右も左も分からない、ひよっこ研究者でした。 なんなら、まだ殻を破っていない卵の状態まである。 M1になって初めて論文の探し方や読み方から教わることになり、夏学期の頃はとにかく論文を読んで、自分のやりたい研究テーマを探していきました。 論文を読んだら、週1の研究室ミーティングのミーティングで発表し、90分フィードバックを貰う手厚い指導を受けました。 この時に読んだ数々の論文は、今の私の血となり肉となっていますし、これだけの論文を読んで研究分野の動向を把握できているぞという自信に繋がりました。
他にも、輪講の締め切り直前の夜中に資料を見せても翌日に赤入れがされている*4、 用事で普段のミーティングの日程が合わなくても簡単に調整が効くなどあります。
なんなら昨日論文を国内学会に提出した時も、実験のやり方や論文の書き方から、1対1のミーティングやSlackでの会話を通じてお世話になりました。
ひとりぼっちなので、お金も機会も独り占めできます。 仮にうちの研究室の10倍の予算を持っている研究室があっても、学生の数が20人いたら、一人あたり使える予算の量は私のほうが多いです。はい論破。 まあ現実はそんなに簡単な話ではないと思いますが、必要ならいろいろお金を出してもらえそうな感じです。*5
あとは先生の人脈をフルに利用できるので、先生の師匠の先生の伝手でイベントに参加したり、 先生の伝手でとある企業の方*6とお話できる機会があったり、その点ではかなり贅沢に感じます。
コロナ禍が無ければ焼き肉を奢ってもらえそうだったのに😔とはいえ
いちねんめなので、ルールを決められます。 とくに研究室のミーティングについて、週1でやるのか月1でやるのかといったようなことを、先生とどうしましょうかという話から始められました。
ひとりぼっち・いちねんめの欠点
ひとりぼっちなので、研究室ミーティングは1対1の面談になります。 これは必然です。もし先生と馬が合わなかったら地獄になります。 幸いにも、私は先生と1対1でも苦にならなかったので良かったのですが、やばい先生だったらそれこそ大学院生活を棒に振ることになりかねないので、 先生が自分の性格と合いそうかどうかは1つの重要なファクターとして、より慎重に研究室を選ばなければならいのだと思います。
ひとりぼちなので、ぼっちです。 一緒に話せる同期が研究室には見つかりません。イマジナリーフレンドでも作るか…… これまた幸いにも私の場合では、B4の研究室にちょっと居座っていて、その時の同期とはちょいちょい話しています。なんならその研究室のSlackの同期チャンネルで一番話してそう。ごめんね。 後は、研究室に1人だけの学生ではあるのですが、他の研究室との合同研究室の一つではある感じなので、合同研究室の居室に行けば同期がいると思います。 きっと今日もサクナヒメかなにかをしていると思います。コロナ禍で一度も居室に行けていないのですが。
いちねんめなので、先輩がいません。 就活のスケジュールとか、研究室に伝わる秘伝のTeXファイルとかありません。 そこは自分の手でやっていく必要が出てきそうです。TeXファイルはB4の時の研究室の先輩から頂いたので輪講はなんとかなりました。
おわりに
ばーっとかいちゃったので、読みづらくなってしまったかもしれないですが、ここまで読んでいただきありがとうございました。 私の場合は、欠点が欠点でなかったり他で補えたので、ひとりぼっちいちねんめのらぼせいかつを満喫できているような気がします。
今後似たような境遇の方がいましたら、参考にして頂ければと思います。